夜更けに

ねえ

空を見上げた?

星が綺麗だったよ

 

昼間は旧い友達に会った

変わりない口ぶりで

変わりなく笑いつつ

ここしばらくの大変だったことと

その昔の大変だったことをきかせてくれた

なんて言っていいのか分からなくて

あやふやに微笑んでいるしかなかったけど

それでも

こうして会うことができて良かったね

あとになってそう思った

きっとあなたはそうやって乗り越えてきたんだね

それにくらべるとわたしの色々なんか

とるにたらないちいさなものだけれど

そのかわりにわたしはここにずっといることにするね

のんきにのんびり

声をかけてくれたらすぐに会いにいくことにするよ

あの頃を過ごしたこの街に帰ってきたくなったら

ありとあらゆる口実をまことしやかに作り上げて

だからあなたはここにくるべきって

この街に大手を振って帰れるように呼んであげる

 

いつまでもあかりの灯っている

ちいさな食堂のような

いつでも電話のつながる

かくれたバーのような

座りなれたソファが置いてある

懐かしい家のような場所であり続けようと思う

 

ねえ

星はまだ見える?

あしたも

来年も

きっといい日が来るよね

きっとまた会おうね

 

 

 

 

お茶のお稽古

月に二回のお茶のお稽古

薄茶、濃茶に加えて

先週から炭手前を教えてもらえるようになった

前回、先生よりお茶会その他の話を聞く

先生自身の体験、二人目の先生についたときの話

「教えてもらうからには先生の言われることは絶対なのよ」

と、いつになくきっぱりとした口調で

あとで先生ご自身の体調の話も

ああ、そうか

少しばかり私の習熟より早めに

いろんなことを教えてくださるのも

少し強くひとに教わる心得を説いてくださったのも

自分がいつまで教えられるか

もしこのひとが次の指導者に変わったとしたら

と、思いやってのことだったに違いない

「ひとを教えるのには覚悟が要りますからね」

そっとつぶやかれたその一言を聞いて

いい先生に出会えたなあと胸が熱くなった

そしてちょっとばかり我が身を振り返り頬も熱くなった

 

とにかくお稽古ごとは背すじがのびる

少し前まではあまりに緊張して二の足踏みそうになってたけど

いまはその緊張感も一緒に楽しんでいる

2時間ほどのお稽古を終えて帰路につくときの

高揚感と満足感はほかの習いごととはちょっと違う気がする

 

そしてその時にはなるべく着物を着ようと思ってる

洋服で行った時よりも着物でお稽古したときの方が

所作もその意味もよく分かる

上手くいかないところが出てくるのも面白い

 

帰り着いて帯を解いて

でもせっかくだからさ・・とちょっと着物で遊んでみたりして

ここ数年いくつかお直しをしたり仕立ててもらったり

まだ袖を通してないものもあったので

次にどれを着ようかな?などと思いつつ試着(笑)

年末の女性の集まりには着物でいこうかなあ?

などと思い描いてみたりして

 

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ダンスから着付けそのつながりからお茶に・・と

あれよあれよとご縁をいただき

この歳になっていろいろバタバタと始めたようだったけど

いまになれば、昔からやってみたかったことで

そのどれも楽しいし有り難いと思う

いまさら何ものかになるようなものではないけれど

知っているだけ、齧っているだけで

どれだけ世界が広がった、というか広いということを知ることができたか

おっかなびっくりその少しずつを味わっていきたいと思ってる

 

 

 

 

 

ひとは

声を忘れて

顔を忘れて

思い出を忘れる

と、書いてあったのはどこだったかな?

 

なにごともなかったように

こころが澄んでいるような気がしても

それは綺麗に奥底に沈んでいるだけかもしれない

 

ダンスの個人レッスンで

講習を受けて帰ってきたセンセイが

パワーアップして教えてくれた

あ、これって単に教える声でなく

喋りたいことを喋ってるときのオトコノコの声だ

なんて思えてちょっと心の中でこっそり笑った

 

 

遠い記憶に残る声は

色鮮やかな花がそのままに咲いているよう

そのままに思い出せるのだけれど

だんだんと重みも中身も薄くなって

ある日ほろほろと崩れ消えていきそうな危うさを思わせる

あの頃には

ずっしりとしっとりとした果実のように

鼓膜と胸を震わせていたのに

 

それでも

まだ大丈夫

 

母が呼ぶ声も

あの頃のあの場所に響く声も

耳たぶに絡みついた声も

記憶の中に眠ってくれている

ひさしぶりに熱を出した

寝込むほどではないけれど

いつもより睡眠を多めにとって

その元気がなくなる前に一日を終えるように動く

37度台を上がったり下がったり

熱を出すとそれだけ体力を使うのね

と、少し軽くなった体重をみながら妙に冷めている

 

仕事は休めない

家事はそれなりにある

夢の中で時計と体力の目盛の計算をしていた

 

前回熱を出した時は

玉子と果物と甘いものが食べたくなった

今回はみかんとチャイでしのいでる

あ、タンパク質とビタミンと糖分っていうのは同じ?

 

3月の母の33回忌に続いて

つい数日前、父の17回忌を終わらせた

なんだか緊張がいっぺんにほどけたのかもしれない

次は最短で8年後

あ、還暦越えてる(笑)

ああ、その頃には母の逝った歳を越えるなあ

いま気づいてなんだかぐっと来てしまった

 

忙しくて行けなかったダンスに3週間ぶりに出掛けて

夏以来ご無沙汰だったオンナノコが3か月ぶりにやってきて

(もう来ないのかと思ってた)

おまけに風邪なんだけど

いやもう首ものどもおなかも腰も

なにがなんだか分からない痛みと熱だったわけよ

それがひとつずつ退いて行ってようやく小さな咳などしている

 

ようやく自分の中で季節が変わっていったのかもしれない

夏を引きずった後の短い秋の余韻

忘れることも消えることもないと確信した

それ以上でもそれ以下でもないそれ自身

ただ愛しい思い出

生きていることのありがたさ

 

そう生きていることのありがたさ

それを感じるこの熱

 

 

 

 

 

物語

 

いま下り坂を歩いているのかもしれない

しばらく目標に向けていろんな算段をして

目的通りの数日を過ごした後日常体制に戻ったのだけれど

その余韻が醒めていくことに軽い不安と苛立ちを感じている

と、自分で書いてそうだったのか~!と気づく

 

なるほどね

 

言葉の示すものをキーワードとして

同じ認識を持つことは可能であったとしても

その言葉が連れてくる特別な感情は固有のもので

それを分かって欲しいと思うことはある種の甘えなのかもしれない

 

印象的だった出来事は自分の中で物語へと昇華させたい

そんな欲が出てきているからこその心の動き

ただ楽しかったねって言えばそれで終わるものを(笑)

 

 

久しぶりの新刊

 

3月のライオン 13 (ヤングアニマルコミックス)
 

 

あ~も~どうしてこんなにときめかせてくれるかな~!

滑川ですらうっかり愛しく思えてしまえそうじゃないか!(弟のほうがいいけど)

あと、岳人さんと隈倉さんの小ネタに爆笑

 

魅かれて読んだ本をもう一度読もうか

 

 山中のカモシカ・・という話とともにでてくる写真がいい

いつもごく自然にまっすぐ立っているような印象

そう、斜面を登るのではなく地球に垂直に一歩を進める

それだけ

 

ああ、そうだね

しっかりと下り坂を降りてまた次の山を目指そう

そしてまたいつか

 

次に登る山が一番魅力的

ずっとそんな気持ちでいられればいいな

 

 

Sound of Music - Climb every mountain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

想う

ふと想う

知らない海を見てみたい

初めての景色を見てみたい

わたしも知らず

そしてそのひとも知らない

初めての場所を見てみたい

 

久しぶりに大好きな本を読みたくなった

 

空の色ににている (ぶーけコミックス)

空の色ににている (ぶーけコミックス)

 

 

 

あ、もっともそういう想いを書いてあったのは

たしかこちらのお話

 

草迷宮・草空間

草迷宮・草空間

 

 

ここのところ珍しく体を動かしているので

よく眠れるし起きると筋肉痛

雨の上がった庭には紫陽花の名残の花と

おくてでまだ咲き誇っている百日紅

夏と秋を行ったり来たりの毎日

夏が終わりきらない間にもう少しやることがある 

 

 

名残の夏の夢のように

ライブが終った夜更けにフレンチ

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アミューズのあとはトリッパそして鴨のコンフィ

泡からボトルの赤ワインへ

僕はこれからお肉食べに行きますが

一緒にいかがですか?から始まった時間

 

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フレンチもバーもカウンターで

店のひととの距離感も心地良く

久しぶりにゆったりとしかし緊張感を持って

ほどけてそして満たされた気がした

 

太鼓は叩くのではなく鳴らすのです

ギターも弾くのではなく鳴らすのです

 

前にも聞いたかもしれない

でもこの日はしゅんと染み込んだ

響いたその音を消さないように

出来ればもっと美しいまま響き続けるように

細心の注意をはらいながら

その弦の上でゆるやかに踊る

 

名残の夏に見た夢のよう

見上げた空に

水に浮かべた小船のような

細い三日月が明るく光っていた