珈琲

久しぶりに喫茶店でコーヒーを飲んだ

少しゆっくりと話したかったので

少々高くても長居できそうな場所を選んだ

地元では老舗的な喫茶店、というより珈琲店

中学生だったか高校生だったか

コーヒーは豆から淹れると知り

その豆にもいろいろ種類があると知ってから

ドリップコーヒーの器具とコーヒーミルをどこかで見つけて

買ってもらったころ

コーヒー豆を豆のまま売っていて、一般の初心者が買えるのは
街中にあるその店くらいだった

その何件かある店の中のひとつ

勤めていたころは新聞社に原稿を届けに行くと

ごくたまにそこの新聞社のおじさまが奢ってくださった

若いオンナノコ(笑)が一人で入るにはちょっと敷居が高い気がした店

 

サイフォンで淹れられたコーヒーは

澄んでいながら明らかに濃い色をしていた

そして昔はいくらかの店ではそうだったが

近頃とんと見かけなくなっていたホイップした生クリームを

あの(!)氷を下に入れたガラスの器で気前よく出してくれた

ああ…なんて感激!

これがまだある店を見つけたというだけでもうすごい収穫

 

仕事の打ち合わせだったのであまりじっくり味わうことはできなかったけど

ひと口目でとりあえず満足

そしてずいぶん長居をしたのに居心地が良かったのも有り難かった

 

BGMは落ち着いたクラシック

そう!喫茶店といえばクラシックなのよ!私にとって(笑)

 

仕事でたまに行く駅近くのビルに入っていたので

これからもひと息つきたいときには行けるかも

いや

日々の暮らしに句読点を打ちたい時に行ける

と、そう思っただけで心が落ち着く気がする

 

高校の頃からなにかあるとたまに行っていたクラシック喫茶が

いつのまにかなくなってしまってからかれこれ10年ほど

父が入院をして医師と深刻な話をしたあとはそこでしばらくぼおっとした

これからの人生、大きな波も落ち込みもないことを祈りはする

それでも

もしなにかが起こったとしてもその時にはあの店へひとりで・・

と思える場所が見つかったことはすこしだけ楽に呼吸できるような気がした

 

・・・

 

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これは旅先で飲んだベトナムコーヒー、練乳入り

 

 

外で珈琲を飲むとき

ただ珈琲だけを頼んで飲むとき

すこしだけ日常から離れられる気がする