少しだけ泣こう
お盆といっても何が変わるわけではない
自分のスケジュールでお休みにはしたけど
家の者たちも仕事やら付き合いやらで
特に家にいてくれるわけでもない
むしろ有り難い
いつも後回しになる自分の片付けものをする
後生大事にとっておいた
いまみるとくだらないのを通り越して吐き気がしそうなものを
次から次へとゴミ袋に放り込む
保留といえば聞こえはいいが要するにほったらかしにしていたものに
それなりの収納場所を与えて目の前から消し去る
どうにか納得のいく部屋の状態になったのは夕方
それからいつもどおりの部屋の片づけをしてお盆の用意をする
迎え火もひとり
20代の頃母がなくなってから焚きだした迎え火
なんでいつも淋しくて涙が出そうになるのだろう
あの頃は本当に悲しかったからだけれど・・
お帰り・・と空につぶやきながら涙が出そうになる
ああ、そうか
私が泣けるのは父、母の前でだけ
いくつになってもそんな気がする
だから
一人で迎えるお盆はちょうどいいのだ