黙祷
午前中ちょっとした仕事の集まり
会の主催者が黙祷を・・と促した
ああ今日だったな
数日あるこの講座のようなものの
ちょうどこの日にあたったのだな・・
と、漠然と想う
急なことをごくさりげなく始めたので
最初は物音があったものの
まもなく自然に音はなくなり思いがけない静けさに包まれる
なにかが流れ込む
あたまの先から腕へと流れが起きる
腕は前に伸ばされようとする
手を差し伸べて掬い上げるように手のひらを構えたくなる
わたしは生きている
このうごくからだとこころを持っている
いまはいないひとびとの記憶を胸にもったまま
誰かの代わりになどなれないし
だれかのためになんて生きていけない
ただ自分の時間を自分の時計で生きるだけ
だけど
忘れない限り覚えていよう
なにかのせいなんかにしてほしくないし
だれかのせいでなにかができたりは決してない
それでも出会ったことすべてが私をつくりあげている
ただその事実だけは淡々と受け容れてまた明日を目指していこう
あの差し伸べた腕でなにを掬い上げようとしたのか
なにもわかりはしないけれど
ただそのときには一歩前へ進んでみようとだけは思っている