お盆を迎えて

起きたら二日酔いだった

むりやりもう一度眠ったら

夢の中にあなたがいた

多分いたと思う・・というくらい儚く

起きたら少し泣けた

ちゃん付けで私の名前を呼ぶ

あの頃の声で包まれた気がして

仰向けになったまま涙を流した

もうあの世から帰って来てるところ?

お家に帰る前に早めに出て寄ってくれた?

 

昨夜は学生時代の友人の集まりで

なぜか私が幹事をすることになったので

自分が行きたい店を選んでみんなを連れて行った

どの店も思い出の店

店主と彼の初盆の話をして盃を傾けた

きっとひとりでは二度と来られなかった

おかげでまた飲みに行ける気がする

そしてときおり隣に座っていた彼のことを思い出そう

いや、きっと忘れているときなどないと思うけれど・・

 

歌を歌った

カブトムシは途中から歌えなくなった

やっぱりまだ当分ダメみたい

そのうちまた歌えるようになるんだろうか

淋しさや悲しさがいつか完全に

温かい思い出になるんだろうか

初盆はまだ早い

乾ききらないかさぶたがはがれたような

生々しい痛みをすこしだけ思い出した

それすらも

生きてきた証しだと、幸せなのだと

いつかきっと言えますように・・・

 

 

 


カブトムシ - aiko(フル)