明け方ほのかに

夢の記憶を残しつつ目が覚めた

最後のシーンを思い出しながら起きる

思い出せない夢の余韻が

幸せな記憶だけを残している

どんな夢を見たのだろう

自分でもわからないのに

ただ微笑んでしまう不思議

 

仕事の集まりで久しぶりの方と隣り合わせた

今日の講座の話題から不意に話が弾んで

この頃読んだ雑誌の1ページを紹介したら

書き留めたいくつかの言葉を見せてくださった

彼女が出会った珠玉の言の葉

 

出会いはそこかしこに散らばっている

やがて別れは来るとしても

別れはなくとも会えなくなることになろうとも

それでも出会えたことは消えない

過ごした時間も決して消えない

 

わたしのからだの細胞は入れ替わって

記憶のかけらはさらさらと零れ落ちても

きっとそこから小さな芽が出て

夢に微笑むように

ちいさな花をひっそりと咲かせてくれる