名残の夏の夢のように
ライブが終った夜更けにフレンチ
アミューズのあとはトリッパそして鴨のコンフィ
泡からボトルの赤ワインへ
僕はこれからお肉食べに行きますが
一緒にいかがですか?から始まった時間
フレンチもバーもカウンターで
店のひととの距離感も心地良く
久しぶりにゆったりとしかし緊張感を持って
ほどけてそして満たされた気がした
太鼓は叩くのではなく鳴らすのです
ギターも弾くのではなく鳴らすのです
前にも聞いたかもしれない
でもこの日はしゅんと染み込んだ
響いたその音を消さないように
出来ればもっと美しいまま響き続けるように
細心の注意をはらいながら
その弦の上でゆるやかに踊る
名残の夏に見た夢のよう
見上げた空に
水に浮かべた小船のような
細い三日月が明るく光っていた