とある日に

古い写真のデータが蘇る

もう届かないメールがフォルダに落ちる

思いがけず

昔の記憶が

色を取り戻すように

匂い立つように

一瞬息を吹き返す

 

懐かしいというほどには古くなく

心騒ぐほどには新しくなく

灰汁を取り澱を沈めた思い出は

ただそこに佇んでいてくれる

 

わたしは淡々と

あたらしい日を過ごしていく