今年の春は

「バラによりかかって歩いてる」

そんなセリフがあったのは

大島弓子リベルテ144時間」だった

このところ花が恋しい

いつになく花屋が気になり

野の花に心奪われ

庭の花を覗き込む

小さな花を身近に置きたくなる

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「花によりかかる」だったかな?

と、大島弓子の何冊かもっている選集を

パラパラとめくるあいだにみつけたのは

「四月怪談」

なんとも心惹かれ自宅だというのに

本棚の前で立ち読みしてしまった

ああ、そうだったな

もう四月だったな

なんだかお彼岸あたりをうろうろして

季節が進んでいないような

いつもと違う世界にいるような

そんな気がしていた

それでも

桜は散って葉を出しているし

梅は小さな実をつけ始めているし

季節は巡っている

いつもの年になく

御仏壇の前に座る回数と

庭にいる時間が増えた

今年の春である