今年の春は
「バラによりかかって歩いてる」
そんなセリフがあったのは
このところ花が恋しい
いつになく花屋が気になり
野の花に心奪われ
庭の花を覗き込む
小さな花を身近に置きたくなる
「花によりかかる」だったかな?
と、大島弓子の何冊かもっている選集を
パラパラとめくるあいだにみつけたのは
「四月怪談」
なんとも心惹かれ自宅だというのに
本棚の前で立ち読みしてしまった
ああ、そうだったな
もう四月だったな
なんだかお彼岸あたりをうろうろして
季節が進んでいないような
いつもと違う世界にいるような
そんな気がしていた
それでも
桜は散って葉を出しているし
梅は小さな実をつけ始めているし
季節は巡っている
いつもの年になく
御仏壇の前に座る回数と
庭にいる時間が増えた
今年の春である